生き物・学び・研究センターブログ
2025年5月16日(金)標本棚のラベル裏007 シマウマ(頭骨)
京都市動物園は1903年の開園以来、様々な動物を飼育してきました。
動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報とともにご紹介したいと思います。

シマウマの頭骨です。
地面に生えている草などを非選択的に食べる、いわゆるグレイザー型の草食動物です。
ウシのように反芻を行わないため、しっかりと草をかみつぶす必要があり、臼歯が発達しています。
また、切歯と臼歯の間には、犬歯があることが分かります。
ウマの一部の個体の臼歯の前には、狼歯と呼ばれる第一臼歯が生えることがあるそうですが、この標本では確認できませんでした。
…とここまで書いて、ほぼウマの頭骨の解説になっていることに気が付きました。
正倉院に「象牙」として保管されていたものがクジラの肋骨だった事例がありましたが、この頭骨をウマだと説明しても、余り違和感を抱かれないような気がします。

1990年代に制作された比較的新しい標本ですが、個体情報等については現在調査中です。
土佐