生き物・学び・研究センターブログ
2025年5月30日(金)標本棚のラベル裏009 ニシゴリラ幼獣(頭骨)
京都市動物園は1903年の開園以来、様々な動物を飼育してきました。
動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報とともにご紹介したいと思います。

ゴリラの頭骨です。
上の切歯が生えかけている点から、幼獣であることが分かります。
眼の上の隆起(眼窩上隆起)は、咀嚼の衝撃を和らげるため、あるいは異性へのアピールのために発達しているなどの説があります。

横から見ると、ヒトと異なり顎が前方に突出しています。
一説には、ヒトは時代の経過と共に調理方法を発達させ、硬いものを噛む必要がなくなった結果、顎が退化したのだとか。
骨格が変化した結果歯の生えるスペースが小さくなり、最後尾の歯(第3大臼歯)が正常に生えなくなったとされます。
これが、いわゆる親知らずですね。
この個体はミッチー。
1972年に推定1歳3か月で導入したメス個体でした。
残念ながら、3年後の1975年に死亡しており、飼育期間は短かったようです。
土佐