生き物・学び・研究センターブログ

2025年8月31日(日)標本棚のラベル裏021 ジャガー(皮革標本)

京都市動物園は1903年の開園以来、様々な動物を飼育してきました。
動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報と共にご紹介したいと思います。

当園でも2025年3月まで飼育していたジャガー。
泳ぎが得意である、獲物の後頭部を噛み砕いて仕留めるなどの特徴を持ちます。

ヒョウとよく似た模様をしていますが、ジャガーの斑点の中には黒点がある点が異なり、しばしば梅の花の模様に例えられます。
一方、全身が黒くこの模様が見えにくい「黒変種」も存在します。
2021年まで神戸市立王子動物園から借り受けていたミワもそのうちの一頭。

ネコ科の中で3番目に大きな種ですが、個体差、地域差が大きいようです。
書籍によれば、オスで体重50kgから100kg前後になるとのこと。
当園で最後に飼育したミワは愛媛への引っ越し時に55.66kg、アサヒは死亡時75.84kgでしたので、サイズとしては中程度といえるでしょうか。

この標本の由来は不明ですが、1991年に制作したもののようです。
「京都市動物園100年のあゆみ」には1969年にジャガーのオスが到着したことが記載されており、保存されている個体情報によるとその後メスも導入されました。
各個体の年齢や在園期間などを考慮すると、この雌雄のどちらかの皮革なのかもしれません。

土佐