生き物・学び・研究センターブログ

2025年11月21日(金)標本棚のラベル裏033 ケープハイラックス(頭骨)


動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報と共にご紹介したいと思います。

口から突出しそうな歯、発達した下顎後方(下顎枝)。
一般的な頭骨とはかなり異なるこの標本には、「ロックハイラックス」と記載があります。
キボシ「イワ」ハイラックスという動物もいるのですが、この「ロックハイラックス」とはケープハイラックスの別名。
当園で現在も飼育している、おなじみの動物です。

上顎から延びる2本の尖った歯は門歯。
遺伝的に近縁であるゾウと同じように、一生伸び続ける歯(常生歯)であるとされています。
草食動物でありながら鋭い牙を持つ理由は闘争のため。
また、この歯は雌にもあり、威嚇のときなどに使われます。
頬骨(頬骨弓)が横に張り出しており、その下が内側にへこんでいるため、正面から見ると海賊旗のドクロマークのような印象を受けます。

記録によると、当園では少なくとも1967年にはケープハイラックスの飼育を行っていました。
なくなった後も、標本として、教育・研究に貢献してくれています。

土佐