生き物・学び・研究センターブログ

2026年10月26日(月)(チンパンジーのお勉強)しばらくお休みします。

みなさまにお知らせです。

2009年5月から、「チンパンジーのお勉強」と名付けた展示を続けてきました。

「勉強部屋」に設置したタッチモニターに映るアラビア数字を、チンパンジーが数字の順番に触っていく様子を見ることができるようにしました。

数字は最初「1」ひとつだけから、「1、2」「1、2、3」と触わる順番を覚えるごとに増やしていき、最近ではタカシとニイニが、画面にランダムな位置に提示される1から17までの17個の数字を、目にも止まらぬようなスピードで触れて行く様子が見られていました。

初めて勉強部屋に入った日のコイコとタカシ(2009年4月5日)

2009年から今年までのチンパンジーたちの様子をブログや、YouTubeの【公式】京都市動物園チャンネルで動画を公開してきました。これまでの記事を一覧でみられるようにした「お勉強アーカイブス」も京都市動物園HPで公開しています。

2026年7月23日の勉強部屋(勉強している個体:左から、ローラ、ニイニ、コイコ)

ところが、今年(2026年)の9月頃から、タッチパネルがチンパンジーの力で強く叩かれて壊されることが続き、先日、ついに勉強部屋に設置していた3台のタッチモニターのうち最後まで残っていた中央のモニターも壊れて使えなくなってしまいました。

人間よりもはるかに力の強いチンパンジーに、タッチモニターを直接触れるようにしていたので、壊される事態は覚悟していたのですが、2009年に使い始めてから、意外なほど強く叩くようなことはせず、「お勉強」を始めてから15年ほどで、3台ほどしか壊れるようなことはありませんでした。

しかし、最近の壊される頻度の高さと、これまで使ってきた製品の生産終了で同型の機種が手に入らなくなったことから、今までのかたちの、チンパンジーが直接画面に触って問題に答える「チンパンジーのお勉強」は終了することにしました。

しかし、すでに試験導入を始めている非接触式のタッチモニターを使った「お勉強」は続けていきたいと思います。

非接触式のモニターに提示された数字に、アクリル板越しに触るロジャー。

これまでのところ、ロジャーだけが積極的に使ってくれていて、その他はコイコが何回か触れた程度で、他の個体はほぼ触れたことがありません。

これまでとは異なる触り方を要求する非接触式タッチモニターに慣れるまで、個体によっては時間を要すると思われます。「チンパンジーのお勉強」の新しい段階として、文字通り「1」から、始めていきたいと思います。

これまで使っていたタッチモニターを収納するボックスの付いたアクリルパネルは、直接タッチモニターに触ってもらうための構造になっているため、すべて撤去する予定です。(1台はすでに撤去済み)

チンパンジーに強く叩かれて壊れたモニター。透明な保護膜に守られているため、割れた画面が飛散することはありません。

最後まで残っていたモニターは、もう10年以上使ってきたタッチモニターでした。しかも、そのモニターを収納していたアクリル製パネルは、「チンパンジーのお勉強」を始めたときに取り付けた16年以上使ってきたものでしたが、今回役目を終えることになりました。

今後の予定ですが、現在仮留めで非接触式タッチモニターを固定していますが、きちんと留められる仕組みをもったアクリルパネルを作成して、2台を設置する予定です。

チンパンジーが力を発揮すると、20ミリのアクリル板越しでもかなり大きな振動が伝わるので、きちんと留めておく必要があるからです。

勢いを付けて画面にパンチするチンパンジー(写真はロジャー)。

そのような仕組みのパネルを作るために時間がかかるため、当面の間、「チンパンジーのお勉強」をお休みします。本格的な勉強部屋の模様替えが終われば、改めてお知らせしますので、お待ちください。

チンパンジーに強い力で叩かれて、液晶が青く光るタッチモニター。残念ながらこの1発で壊れてしまいました。

田中 正之