救護センターブログブログ
2026年1月7日(水)事例紹介、8月のトビ。消防ホースパーチ(止まり木)でリハビリ
野生鳥獣救護センターです。
身近な猛禽類、トビは身近ゆえに事故に遭い救護されてくることが多い鳥です。
今回の事例は、何らかの理由で国道まで出て、路上でうずくまってしまっていたようです。
かなり衰弱し痩せていたため、ロードキル個体(交通事故死した動物)や電灯に集まる昆虫等を求めて路上にまで出てきたのかもしれません。
幸い骨折等の外傷は無く削痩のみでした。痩せすぎて筋力が低下したせいなのか、うまく飛翔することができません。しばし救護センター内で体力と筋力の回復を目指しました。

はじめは人の存在に非常に警戒しており、状態観察のために担当者が救護室の小窓から覗くと…

この表情!拡大すると…
!!!

眼を見開いて小窓の方向を凝視、なんともいえない表情に…(苦笑)
トビは救護センターによく搬送されてきますので、様々な個体をみてきましたが、こんな表情をした個体は初めてでした。余程驚かせてしまったのかもしれません。ごめんね、けれど状態を把握するだけの最低限は観察させてね…という思いで毎日を過ごしました。
野生下よりも距離が近い人間の存在に驚きつつも、トビは少しずつ採餌量を増やしながら体力をつけていきました。救護センターでは個体ごとに身体状態に応じた必要なエネルギー量等を計算して給餌しています。まるで病院の入院食のようですね。過不足の無いようにしっかり管理します。トビは魚も肉も完食!衰弱した体も少しずつ筋肉がついてくるようになりました。

では次のステージへ。屋外リハビリケージを使用します。
ここで登場するのが消防ホースです。皆さんは動物園内の動物舎に消防ホースを使用して作製した遊具やフィーダーがあるのをご覧になったことがあるでしょうか?消防ホースは大変丈夫で様々な用具に使用することができるのです。救護センターではどのように使用しているかというと…

バアアアアアアアン!!
…消防ホースはロープ状にして止まり木にします。大きな猛禽が乗っても大丈夫!少しゆらゆらと揺れますが、バランス感覚を鍛えてもらいます。このトビも、はじめはおそるおそるつかまっていましたが、慣れるといい感じに(但し担当者への警戒は忘れないこの表情)!

屋外ケージで消防ホースから別の消防ホース、脚立から消防ホースに飛び移ったり、敢えて高い位置に設置した餌を採餌したりと運動量を増やし、トビは確実に筋力をつけていきました。
そして救護センターで過ごすこと20日、トビは野生に帰りました。野生下では餌は自分で確保しなければならないし、身を守るのも自分自身でなんとかしなければなりません。厳しい世界かもしれませんが、強く生きて次世代に命をつないでほしいと思います。
LUCK!(幸運を) PLUCK!!(勇気を!)
野生鳥獣救護センター みやがみ
