救護センターブログブログ
2018年9月18日(火)真夏の珍客
	今年の夏の暑さは半端なかったですね。
	そんな夏の日から始まるお話です。
	「カモを保護した」と電話がありました。
	その時は,留鳥のカルガモかマルガモ(マガモ×カルガモの交雑種)だろうなと
	思っていたのですが…。
	
	赤茶色っぽいゴマ塩頭を見たときに
	いやいやいや,今は夏やし,冬の渡り鳥はありえへん,と思いました。
	しかし実際,目の前にいます。
	エクリプス(カモ類オスの非繁殖期の羽模様)のヒドリガモかアメリカヒドリ?
	それともヒドリガモのメス?
	
	どうやらアメリカヒドリの要素もある「ほぼヒドリガモのオス」のようです。
	ここ数年来,冬鳥なのにそのまま居つく個体が目撃され
	ヒドリガモだけでなく,コガモもいたとの情報もありました。
	猛暑日の連続記録を更新した京都なのに,
	京都の町がそれほどいいの?
	春の京都に魅せられて,ついつい帰りそびれたのかな。
	酷暑の日々が待っているとも知らず。
	
	このヒドリガモは左肩に咬傷がありました。
	傷口の縫合もうまくいき,経過は良好だったのですが
	困ったことが一つ。
	ちっとも自分でエサを食べないのです。
	こういう時は強制的に流動食を与えます。
	ヒドリガモにしてみれば,捕まえられて,動けないように押さえられ
	口を開けさせられて,管(カテーテル)を突っ込まれ,急にお腹がいっぱいになって
	かなりのストレスになっているはずです。
	それなのに,エサを置いても知らんぷりで,食べる気配なし。
	しかし45日後。
	突然,モリモリ食べだしました!
	自分でエサを食べたほうが,嫌なことをされないし楽だって
	やっと気づいてくれたんやね (*'▽')ノ
	これで私たちも流動食作りから解放されました。
	カチカチのペレットを乳鉢でスリスリすり潰す手作業は,
	正直,辛かったのでした(>_<)
	ちなみにこの子は,今いるカルガモとは違って
	エサ皿へのこだわりはないようです。
救護センタースタッフ 吉川
