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2023年6月18日(日)【野鳥舎】イソヒヨドリ、手術しました
京都市動物園の野鳥舎では、
現在1羽のイソヒヨドリ(オス)が暮らしています。
この個体は、2021年2月3日に、
粘着シートにくっついた状態で、当園内の救護センターに搬入されました。
(ネズミ捕り用の粘着剤が原因で救護される野鳥についてのブログはコチラから)
処置は順調に進みましたが、野生に戻すことができないと判断したため、
当園の野鳥舎へ移動することとなりました。
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舎内では、止まり木から止まり木へ飛び移っていることが多く、
事故による影響を感じることは少ない印象でした。
しかしある朝、上手く飛ぶことができず、
滑空するように地面に着地する様子が見られました。
同時に、右翼の先端が下方向に向かってぶら下がっていました。
羽の軸が折れているのかと思い、捕獲して確認してみると、
数枚の羽がまとめて折れており、少し出血した痕もありました。
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レントゲン検査の結果、
中手骨(ちゅうしゅこつ)と呼ばれる骨が折れて皮膚を突き破り、
皮一枚でつながっているような状況であることが分かりました。
ちなみに中手骨は、
初列風切(しょれつかざきり)という一部の羽とつながる骨で、いわゆる手羽先の一部です。
ヒトの場合、手の甲の中で、指の骨と手首の骨の間に位置しています。
骨折した原因は不明ですが、
このままでは他の骨や羽にも影響が出る恐れがあるため、
骨折部位で切断、という処置を取りました。
手術後、野鳥舎に戻ると、
以前と比べて上手く飛ぶことはできなくなっていました。
ただ、ぐったりとした様子はほとんどなく、
元気に舎内を動き回り、いつもの定位置に移動していました。
普段は舎内の上の方の止まり木にいることが多く、
しゃがんだりなど少し姿勢を変えないと見つけることが出来ないかもしれません。
ですが、イソヒヨドリはまだまだ元気に暮らしています。
また、この個体はオスのため、
藍色の背中と褐色のお腹のコントラストがとても綺麗です。
野鳥舎にお立ち寄りの際は、
イソヒヨドリをはじめ、それぞれの鳥たちを探してみてください!
(2023年6月18日現在、野鳥舎では5種の鳥類が暮らしています)
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しゃがんで舎内を観察すると
木の上にとまってる鳥たちが見つけやすいよ!
野鳥舎担当 星野