生き物・学び・研究センターブログ

2025年4月12日(土)標本棚のラベル裏002 ブタ(頭骨)

京都市動物園は1903年の開園以来、様々な動物を飼育してきました。
動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報とともにご紹介したいと思います。

ブタは、イノシシを家畜化した動物であることが良く知られています。
交雑種であるイノブタに生殖能力があることから、これらは同種であるとみなされます。
しかし頭骨を並べてみると、随分違いがあることに気が付きます。
以下は、以前のブログで紹介したイノシシの頭骨。

最も大きな違いは、額と鼻の間に段ができ、頭全体が前後方向に短縮している点。
また、上顎が短縮したことに伴い下顎も短縮し、下顎前縁に凹みができています。
そのほかにも色々な違いが見られ、家畜化現象の一端を実感することができます。

この標本の個体はミニブタ(ベトナムポットベリー)のアッキー。
2012年、6歳の時に来園しました。
2019年に死亡するまで約6年間、おとぎの国で飼育しています。
当時のブログをさかのぼると、姉妹のナッキーとは、見た目も性格も結構違っていたようです。

土佐