生き物・学び・研究センターブログ
2025年4月17日(木)(チンパンジーのお勉強)戻ってくるニイニ
京都市動物園の「チンパンジーたちのお勉強」では、コンピュータ制御でタッチモニターに提示される問題を解く様子を見ていただくことを通じて、チンパンジーたちの高い知性を実感していただくことを目的として展示を行っています。
しかもそれだけでなく、「お勉強」時間中には、私たちヒト(人間の生物学上の種名です)にチンパンジーと共通した行動の傾向があることも紹介していきたいと思います。なにしろ、チンパンジーは地球上で一番最近までヒトと共通な祖先をもつ「進化の隣人」なので、ヒトとチンパンジーには数多くの共通点があるのです。
さて、以前に何回間違えても、1回もごほうびをもらわないでも、難しい問題を続けるロジャーの様子をお知らせしました。 (生き物・学び・研究センターブログ)
「(チンパンジーのお勉強)間違えても間違えてもやめないロジャー」
今回は、ロジャーの兄のニイニが見せてくれたエピソードです。 ニイニは1から16までの問題を勉強中。正解率は60~70%程度でよくできるのですが、間違えたとき、隣にロジャーが勉強していると、横から割り込んでごほうびのリンゴを横取りしたり、時には問題を自分でやってごほうびを取ったりします。




ただごほうびの食べ物が欲しいだけなら、ニイニにとって簡単なロジャーの問題を場所ごと横取りしてしまえばよいのですが、ニイニは何回も、自分の場所に戻って自分の問題を再開したのでした。不思議なことに、自分の場所に戻って再開した問題は、ほとんど正解していました。

ニイニにとっては、気分転換みたいな効果があるのかもしれません。
勉強時間の終わり頃、勉強部屋にタカシが入ってきて、ロジャーの場所を奪ったのですが、タカシはそのまま居座ってロジャーの問題を続けました。

むしろこちらの方が当たり前な気がします。ニイニはどんな気持ちで勉強していたのでしょう??
静止画だけでは伝えきれないので、動画でご覧いただきたいと思います。
動画は、YouTubeの【公式】京都市動物園チャンネルをご覧ください。
