生き物・学び・研究センターブログ
2025年4月18日(金)標本棚のラベル裏003 アジアゾウ(頭骨)
京都市動物園は1903年の開園以来、様々な動物を飼育してきました。
動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報とともにご紹介したいと思います。

当園の展示室にある、アジアゾウの頭骨です。
ゾウの特徴的な長い鼻は筋肉でできているため、骨はありません。
両目より高い位置に鼻の孔がある点は、クジラやイルカに似ているかもしれません。
また、目の外側にある大きな骨の凹みがあり、削痩した場合に外見上目立つようになります。
このため、ゾウの外貌からの体型判定(ボディコンディションスコアリング)の一要素となっています。
歯式は上1/0/3/3、下0/0/3/3。
切歯が牙となりますが、アジアゾウのメスでは、小さいか、ない場合もあります。
より奥の臼歯が、前方に出てきて古い臼歯を押し出し生え変わるという、ヒトと異なる置換様式を持ちます。ステープラーの針が前に出てくる様子を想像いただくと、分かりやすいかと思います。
標本の個体はルパヒ。
1952年に、インドのネール首相から贈られたアジアゾウです。
1978年に死亡するまで、約26年間飼育していました。
美都は、ルパヒ死亡の報を受け、京都信用金庫様が働きかけてくださった結果来園した個体です。
京都信用金庫様には、現在に至るまでご支援をいただいています。
土佐