生き物・学び・研究センターブログ
2025年7月11日(金)標本棚のラベル裏015 ヨーロッパバイソン(頭骨)
京都市動物園は1903年の開園以来、様々な動物を飼育してきました。
動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報と共にご紹介したいと思います。

同じ偶蹄類のホンシュウジカと比べると、マッシブな印象の頭骨。
ヨーロッパバイソンです。
ヒツジと同じく洞角(ホーン)を持ちますが、比べると細身でシンプルな印象を受けます。
この角は、自衛のための武器として、またディスプレイのために使用されます。
他のウシ科の動物と同じく、下顎犬歯は切歯に似た形になって、切歯に加わっています。
切歯と臼歯の間の間隙(歯隙)が広い点も、同様にウシ科に共通する特徴。

この個体は、1973年に来園したポーランド生まれのプトラ。
同じくポーランド由来のプルターとの間に、多くの個体をもうけました。
子である京子、孫の京秋も多くの子を残しています。
京都市動物園にはほかに15個体のヨーロッパバイソンの飼育記録がありますが、ほとんどがプトラの子孫個体となっています。
土佐