生き物・学び・研究センターブログ

2025年10月28日(火)(チンパンジーのお勉強)いつもと違う

10月25日 この日はいつもとは違って、ニイニとローラ(とロジャー)を一緒にさせないように2つのグループに分ける飼育管理をしていました。

そのため、この日勉強に参加できたのは、ローラとロジャーとコイコだけでした。そうすると、一緒になれないニイニが壁の向こうで騒いで、こちらではコイコがおろおろする、といった落ち着かない雰囲気で、とても落ち着いて「お勉強」とはなりませんでした。

大きな声を上げるコイコを眺めるロジャー
部屋の外を覗きに来たローラ。

しかし、それでも30分ほどすると、少し落ち着いてきて、ローラとロジャーが勉強を少しやってくれました。

ロジャーがひとりでやってきて、問題を始める。でも、すぐに出て行ってしまいました。
ローラもやってきて、少しだけ勉強してくれました。

翌日の10月26日は、ニイニを含むグループが勉強に参加できる日でした。

ニイニは終始落ち着きなく、部屋に入ってきたと思えば出て行くのを繰り返し、結局一度も問題には手を出しませんでした。

必死になって外を見ようとするニイニ。
うろうろするニイニ(手前)。それにつられて動き回るコイコ(奥から2番目)。比較的落ち着いていたタカシ(一番奥)。

その後ニイニとコイコは外の運動場に出て行ってしまい、タカシだけが残って問題をやってくれました。

そして10月28日。この日はニイニとジェームスの2頭と、タカシ、コイコ、ローラ、ロジャーの4頭のグループ分け。勉強ができるのはニイニとジェームスだったのですが、ほとんど勉強部屋に入ってくることはありませんでした。

誰もいない勉強部屋。誰も触らないまま時間が経過して、スクリーンセーバーが動きだしたり、画面がスリープになったりしている。

どうしてるのかと思って外の運動場を見てみると、ニイニとジェームスが寄り添って一緒にいました。

2個体とも、離れないような距離をキープしていました。

隣の運動場では、ニイニがいなくて、とくにローラがとてもリラックスした雰囲気。

チンパンジーにとって、とくにアルファオスのニイニにとって、いつもと違う(とくに社会的環境が変わる)ことは、一大事で、とても勉強してごほうびの食べ物を食べている状況ではなかったようです。

いつもとは違ったチンパンジーたちを目にした日々でした。

田中正之