生き物・学び・研究センターブログ
2026年1月13日(火)標本棚のラベル裏039 クチヒロカイマン?(頭骨)
動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報と共にご紹介したいと思います。

今回は「分からない」ということのご紹介。
この標本、「ワニの上側頭窓」でもクローズアップしたクチヒロカイマン?の頭骨です(?の理由は後程。)。

正面から見た写真の眼窩上方、天面から見た写真では右側の小さな穴が上側頭窓。
側頭窓とは哺乳類や爬虫類がもつ頭骨の穴で、頭骨の軽量化と咬筋の収納部となる、と記載させていただきました。
ワニを含む爬虫類の一群は双弓類で、この穴が頭骨の左右に2か所ずつある…のですが、カメなど二次的にこの穴が閉鎖されたと考えられる爬虫類もいるのでややこしい。
ほかの特徴としては、哺乳類と比較して、咀嚼よりも保持に特化した顎を持っている点が挙げられます。
すなわち、噛みついて押さえることに特化した口を持っているのですね。
一方歯の大きさや形には余り変化がなく、口の中で何かを噛み切るのは不得手。
このため、大きな動物を食べる種では、体を回転させて獲物を引き千切る「デスロール」を行います。

そして、なんといっても目を引く、この表面の凸凹はというと…
いろいろ調べたのですが分からずじまい。
「感覚孔がつながっている部分」「頭骨の強度を上げるための梁構造」などの断片的な記述はあったのですが、信憑性が不十分で結論づけることができずにいます。
実はこの写真、昨年このブログシリーズの最初に紹介するつもりで撮ったのですが、撮影から1年近く経過してしまい、現段階での「分からない」という結論をお伝えすることにしました。
もしご存じの方、こんな記述があったよという方がいらっしゃいましたら、是非お知らせいただければ嬉しいです。
また、現在整理中の標本一覧上には、この標本の番号に「メガネカイマン」と記載がありました。
いろいろな写真、特に吻の幅を比較すると、園内で口頭で伝達されてきたとおり「クチヒロカイマン」ではないかと思うのですが、疑義がつくため「クチヒロカイマン?」として紹介させていただきます。
こちらについても、もし詳しい方がいれば、教えていただければ幸いです。
土佐
