生き物・学び・研究センターブログ
2026年1月23日(金)標本棚のラベル裏040 マントヒヒ(頭骨)
動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報と共にご紹介したいと思います。

オスの側頭部と肩の毛が長く、マントのように見えることからこの名があるマントヒヒ。
メスは外見が全く異なり、発見時は別種とされたこともあるとか。
しかし、頭骨になると今度は違いが分かりにくく、この標本も雌雄の確定ができませんでした。
ヒヒの仲間全般に言えることですが、類人猿と比べて吻部が非常に長く突出しています。
硬いものを噛むために有利な特徴で、主に植物や種子などを食べる本種の食性をよく示しています。

この咀嚼を司る筋肉は、主に外後頭隆起と呼ばれる骨の突起に付着しています。
一枚目、二枚目の写真でいえば右端の部分で、私たちヒトでも後頭部の生え際から真上にたどっていくと触知できるでっぱりです。
強い筋肉を機能させるためにはその付着部が必要、ということは、生物の体全般に言える特徴です。

ヒヒの仲間のもう一つの特徴である上顎犬歯については、残念ながら脱落していました。
歯槽に差し込んでも落下してしまうため、ない状態での写真を掲載しています。
ひとつ前の写真で筋肉の付着部についてお話ししましたが、ほかの種では、外後頭隆起以外にも、噛む筋肉を付着させるための骨のでっぱりが発達することがあります。
イベント「ほねぶ!~ニシゴリラ編~」でお話をさせていただく予定ですし、今後のラベル裏でもご紹介しようと考えていますので、よろしくお願いいたします。
土佐
