救護センターブログブログ

2025年9月24日(水)事例報告、6月のアオサギ

野生鳥獣救護センターです。
本日は放野の報告です。6月に搬送されてきたアオサギです。

アオサギはその大きさや堂々とした佇まいで「アオサギ先輩」と愛鳥家のなかでは呼ばれ親しまれている鳥です。そんなアオサギは人の生活圏に近いところで暮らしているため、交通事故や思わぬ事故に巻き込まれてしまうことがあります。
このアオサギはある中学校のサッカーゴールのネットに絡まって身動きがとれなくなっているところを救護されました。かなり暴れたのでしょう。救護センターに到着した時にはぐったりとしていました。
身体検査を行うと、栄養状態もよく胸筋がしっかりとついており、翼や脚は骨折や脱臼等の外傷は認められませんでした。サッカーゴールに捕らわれてひとしきり暴れた後でしたので、しばしケージを暗くして安静、休息をとるようにいたしました。

力強く羽ばたくアオサギ。


しばらくしてから回復具合を確認すると、担当者の腕ごと飛んでいきそうな勢いで羽ばたきました。これだけ飛翔する力があれば大丈夫、これ以上人の管理下に置くよりも、元いた自然へ帰しアオサギの好きなように動けたほうが良いだろうとの判断で放野のはこびとなりました。
学校の近くですと、またサッカーゴールに絡まってしまう可能性もゼロではないため、学校から少し離れた河川敷のある川沿いで放野となりました。

LUCK! PLUCK!!

身近ゆえ事故に遭いやすい生き物を人はどうしたら守っていけるか、考えさせられる事例でした。

現在は高病原性鳥インフルエンザ早期警戒期間に入っているため受入れできる鳥類が普段以上に限定されておりますが、この鳥はどうかな?と悩む事がありましたら、京都市内の方は野生鳥獣救護センター、京都市外の方は各都道府県の担当窓口までご相談ください。

高病原性鳥インフルエンザ早期警戒期間のため受入れ中止となっている鳥一覧


Facebookのコメントに質問がありましたので回答いたします。
カモや水鳥、猛禽類のなかでも救護対象になる種、残念ながら救護対象にならない種様々です。上記のリストは現在救護対象にならない受入れ中止中の鳥類のみを掲載しております。質問にありましたオオバン、コガモですが、同じ場所で3羽以上死亡していなければ救護受入れすることができます。
どうそよろしくお願い申し上げます。

野生鳥獣救護センター みやがみ