救護センターブログブログ

2026年2月17日(火)事例紹介。10月のコヨシキリ

野生鳥獣救護センターです。
寒さ厳しい今日この頃です。人も辛いですが、厳しい自然の中で生きている鳥獣を思うと、人は恵まれているなあと思うものです。

本日は10月に搬送されてきたコヨシキリの事例紹介です。
地面に落ちていた、との稟告でした。

少し調子が良い時のコヨシキリ。眼に輝きがあります。


コヨシキリ(学名Acrocephalus bistrigiceps 英名Black-browed Reed Warbler)は東南アジア等で越冬し、春から夏に日本(九州以北)に渡ってくる鳥です。眉毛のようにみえる黒褐色の頭側線が特徴的です。とても小さく、メジロくらいの大きさで、約8gという小さな体をしています。

眼を閉じ、しんどそうです。


地面に落ちている傷病鳥の多くは臨床所見から建物や車両への衝突が考えられます。このコヨシキリも衝突時に現れることが多い沈鬱や神経症状がみられました。炎症を抑える注射や体を楽にする酸素投与、保温を行い状態改善に努めました。

タオルにもたれながら止まり木に止まっています。
止まり木に止まれなくなった時。眼はずっと閉じていました。


一時期は止まり木にも止まり、回復の兆しを見せておりました。しかし症状悪化と改善を繰り返し、それが段々と低空飛行から右肩下がりへ状態が悪化へと傾いていきました。
状態が悪い時は、止まり木にも止まることができなくなり、タオルで体を支えないと仰向けに転がってしまったりコロコロと回転してしまったりするようになりました(神経症状の悪化)。この状態からでもV字回復をみせた小鳥の事例もありましたので、必要な投薬等を行ったあとは、コヨシキリの生命力にかけました。しかし残念ながらコヨシキリの命は尽きてしまいました。搬送されてから3日後でした。
解剖を行うと広範囲な脳挫傷でした。

小さな体で精一杯生きようと頑張っていたのだなと思うと非常に胸が痛くなるものです。沢山の個体を見送っていても、こればかりは辛いものです。次に生まれてくる時は、天寿を全うできるように、と祈りました。

衝突事故を防ぐにはどうしたら良いでしょう。車両の場合は安全運転、建物の場合は透明なガラス窓にはカーテンを設置したり、できるだけガラス全面に野鳥のガラス衝突を防止するようなフィルムを貼る等、ガラス窓に風景が映り込まないような工夫を行うと効果があるとされています。
皆様どうぞ安全運転、ガラス窓の工夫をお願い申し上げます。

野生鳥獣救護センター みやがみ