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2025年3月4日(火)グレビーシマウマのグラウンド整備

現在、京都市動物園ではナナト♂、ミンディー♀、ミナト♂の3頭のグレビーシマウマを飼育しています。

ナナト
ミンディー
ミナト





ナナトとミンディーの息子であるミナトは現在4歳です。

繁殖計画の段階では、ミナトが性成熟する前に他の園に搬出する予定でしたが、コロナウイルスの感染拡大など様々な事情により搬出が難しくなってしまいました。

ミナトが性成熟するまでは母親のミンディーと一緒にグラウンドに放飼出来ていましたが、性成熟してからは、繁殖管理とナナトとの闘争を避けるために3頭を分離し、別々の寝室・グラウンドで飼育する必要がありました。

しかし、既存のグラウンド設備では、強度や安全面からシマウマは2頭ずつしか放飼出来ず、1頭は寝室に収容しておかなければなりませんでした。

ミナトの成長に伴って、ナナトもミナトをオスとして認識し、縄張り争いで激しく威嚇したり、寝室にいる個体が扉に体当たりをしたりするようにもなりました。

このことは動物福祉の観点からもとても大きな課題であり、施設改修によって何とか3頭ともグラウンドに出せるようにしなければならないと施設担当職員や飼育職員の皆さんと何度も相談をしながら計画を立てました。

動物とヒトのどちらにとっても安全な設備を考え、同居するキリンのトレーニングが行えるかなども考慮する必要がありました。

そして先日2/17についに工事が終了し、3頭を同時にグラウンドに放飼することが実現しました!


頭を出したりマウントができないように柵にメッシュを取り付けました。

取り付ける前
取り付けた後










グラウンドの中からしか動かせなかった扉を外から動かせる馬柵棒にしました。

工事前
工事後



初日は新たに増設した設備にかなり警戒するかと思いましたが...少し気にはしつつも、グラウンド間の移動もスムーズにでき、現在のところ大きな問題はなく安全に3頭を放飼出来ています。

隣同士のグラウンドに出れるようになったナナトとミンディー












今後は3頭の顔つきや行動の違いなども比較出来るようになったので、ぜひ実際に見に来て比較してみてください。

当面は、オス同士の闘争防止のために、シマウマ舎に近いグラウンドにミナト、キリンと混合で展示している広いグラウンドにミンディー、北側でキリンのイブキがいるグラウンドにナナトを放飼する予定です。

グレビーシマウマ担当 たけうち