生き物・学び・研究センターブログ

2025年10月18日(土)標本棚のラベル裏028 グレビーシマウマ(皮革標本)

1903年の開園以来、様々な動物を飼育してきました。
動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報と共にご紹介したいと思います。

シマウマの頭骨については既に御紹介したとおりですが、当園では皮革標本も所蔵しています。
写真の中央部分が背に当たり、左右の腹から下腹部に向かって縞模様が伸びています。
グレビーシマウマは、他のシマウマと比べると、縞模様がより細かいとされています。

この縞模様についての研究で、日本の研究者の方がイグノーベル賞を受賞しています。
シマウマが縞模様である理由については、これまで、天敵を混乱させるため、仲間を見つけるため、体温調節のための説が提唱されてきました。
2014年に「吸血昆虫からの被害を避けるため」という仮説が提唱され、これをウシを用いて比較検証した研究が、2025年の受賞対象となっています。

「シマウマの縞を取ってシロクマにつける」という歌がありましたが、案外虫除けには有効な対策なのかもしれません(当園にシロクマはいませんが)。

シマウマは、遺伝的にはウマよりもロバに近縁です。
丸い耳や先端に房がある尾は、まさにロバそのもの。
また、その鳴き声もとてもよく似ています。
当園では観覧通路を挟んでグレビーシマウマとロバを展示していますので、聞き比べてみてください。

京都市動物園の年表上に、シマウマ(種不明)が登場するのは1935年。
グレビーシマウマとしては、1978年に宮崎サファリパークから導入した2頭が最初になります。

土佐