生き物・学び・研究センターブログ

2026年3月5日(木)標本棚のラベル裏046 チンパンジー(オス、年齢不明、頭骨)

動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報と共にご紹介したいと思います。

ニシゴリラ(オス)、ニシゴリラ(メス)に引き続き、類人猿のご紹介。
当園で現在でも飼育しているチンパンジー。
これは、過去に当園で飼育していた個体であると思われますが、個体情報はほとんど残っていません。
上顎と下顎はバネで固定されており、錆び付く前は上下に動かすことができたのではないかと思われます。

上部から見た図。
頭骨を横切る形のギザギザの線は、縫合線と呼ばれるもの。
生まれたときに分かれていた頭骨が、癒合しつつあることを示す継ぎ目です。
成長とともに見えにくくなる場合が多いため、この個体は比較的若かったのかもしれません。

オスでは成長すると発達するはずの犬歯小さいことも、若齢個体であることを支持します。
サイズ感と形状は、以前ご紹介したニシゴリラの幼獣の頭骨(左)に似ています。
眼窩が円形なのは、種差に加えて、年齢の影響もあるのかもしれません。
機会があれば、チンパンジーの成獣の頭骨とも比較してみたいと思います。

土佐