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2025年3月27日(木)ジャガーのアサヒが死亡しました

3月17日にジャガーのアサヒが死亡しました。
17日は麻酔をかけての検査・治療を行っており、予定していた処置を終了し、覚醒を待ちましたが、覚醒せず、死亡を確認しました。

アサヒは、2024年6月初旬から徐々に食欲が低下しており、呼吸も苦しそうな状態があったため、2024年7月、8月、11月にも麻酔下での検査と治療を行ってきました。
以前のブログ:
https://zoo.city.kyoto.lg.jp/zoo/enjoy/blog/breeder-blog/20240810-77585.html
https://zoo.city.kyoto.lg.jp/zoo/enjoy/blog/breeder-blog/20241125-78700.html

これまでのレントゲンやエコーなどの検査から、胸膜炎があり、胸水が貯留していることが確認されていました。
胸腔内の炎症と胸水の貯留が継続していることは検査によって判明していましたが、その根本的な原因については特定できていない状況でした。

投薬や餌の見直しを行うことで、アサヒの状態の改善は見られましたが、食欲にムラがある状態が継続しており、アサヒの健康状態には波があるような様子でした。

今回の麻酔は、胸部の精査と胸水の抜去、経過観察のために行いました。
アサヒの健康状態を知り、治療するためには、必要な処置でしたが、アサヒの状態が思っていた以上に悪くなっていたため、麻酔下での処置に耐えられなかったと考えられます。

麻酔下での検査の様子

その後、アサヒの死因を調べるために解剖を行いました。
解剖の結果、アサヒの死因は胸部腫瘍とわかりました。
胸腔内にとても大きな腫瘍があり、胸水も多く溜まっている状態でした。胸腔内で腫瘍が大きくなったためか、肺も萎縮しており、食欲低下や呼吸の促拍などの症状が見られていたと思われます。

アサヒはエントランスすぐの場所にいて、多くの来園者に楽しんで観ていただき、愛されていたと思います。
既に多くの方から、献花をいただいています。
食欲のある時には、餌をとるために木に飛びついたり、暖かい日にはやぐらの上でずっと寝ていたりと印象的な個体でした。

ジャガー担当 井上