飼育員ブログブログ

2025年12月19日(金)大雪/冬至のアカゲザル

これまで、治療の経過を報告していたアカゲザルのボコ2ですが、

扁平上皮癌に伴う衰弱が見られ、
最終的には12月15日に安楽死処置を行いました。


今年の春から顎に腫瘍ができ、4月、8月と
2回手術を行ってきました。


その後、3回目の腫瘍の増大を確認し、
腫瘍の増大スピード、捕獲と治療、分離による本人への負担を考慮し、
以降は、再手術を行わず、痛みを取る緩和ケアをしながら、
経過観察を行ってきました。

しばらくは、嗜好性の高い餌への反応も良く、

群れの中で生活が維持できておりました。

しかし、先週末から、患部の具合が芳しくなく、
餌への反応もかなり悪くなり、
さらには腫瘍からの痛みからか、
じっとしている時間が長くなりました。

処置当日も朝はまだゆっくりですが、
餌を手から取って食べている状態でした。

これまで、何度か担当獣医師、飼育代番担当と何度か話し合いを行い、
検討を続けてきましたが、ボコ2の病状の進行とQoLの観点から、
最終的には安楽死処置をする判断をいたしました。

死亡後、腫瘍の周辺を確認すると、
すでに腫瘍により、顎の骨が溶けている状態でした。
一方で、そのほかの内臓に、腫瘍の転移は見られず、
顎の腫瘍のみが負担となっていたことが分かりました。

年齢もあり、腫瘍ができることは仕方のないことではありますが、
今回のケアとその結果をまた別の個体の福祉の維持につなげていきたいと思います。

ボコ2の終末ケアに際し、ご心配頂きました皆様、ありがとうございました。

アカゲザル飼育担当、担当獣医師