生き物・学び・研究センターブログ
2025年8月22日(金)標本棚のラベル裏020 ダチョウ(皮革標本)
京都市動物園は1903年の開園以来、様々な動物を飼育してきました。
動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報と共にご紹介したいと思います。

エミューをご紹介したのであれば、こちらを紹介しないわけにはいきません。
というわけで、今回はダチョウの皮革標本です。
エミューと同じく走鳥類ではあるものの、ダチョウの生息地はアフリカ。
現存する世界最大の鳥であり、オスでは体長2.75m、体重は最大150kgに達します。
オスでは羽根は黒色で翼と尾が白く、メスでは羽根は灰色で翼の羽根が白。
野性下では、オスは座って頭部を左右に振り、この翼を交互に震わせてディスプレーを行います。
また、翼の下や大腿部は羽根を持たない場所が大きく広がっています。


エミューと同じく飛翔には適さない羽を持っています。
しかし、羽軸が1本で羽枝が長く伸びている様子は、他の鳥類の羽根に近いかもしれません。
ダチョウの羽根は大きく優雅に膨らむことから、古代から交易品として取引されてきました。
現代でも衣装の装飾に利用されており、宝塚歌劇の背負い羽根もダチョウの羽根製。
また、静電気を起こしにくいことから、毛ばたきにも利用されています。
もしかしたら、皆さんの車のダッシュボードにもダチョウの羽根が入っているかも。
土佐