生き物・学び・研究センターブログ
2025年9月12日(金)標本棚のラベル裏022 ヒョウ(皮革標本)
京都市動物園は1903年の開園以来、様々な動物を飼育してきました。
動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報と共にご紹介したいと思います。

ジャガーの御紹介をしましたので、次はヒョウを。
ジャガーと同じく斑紋を持ちますが、021で御紹介したように、ヒョウの斑紋には黒点がありません。
また、ヒョウもジャガーと同じく同種内でのサイズ差が大きく、オスで20~90kgの幅があるようです。


生息域はアフリカ大陸からユーラシア大陸東部までと非常に広範囲に及びます。
このためか、中国で「豹」という漢字が与えられ、日本でも古来からその存在が知られています。
ちなみに、ジャガーは中国語で「美洲豹」。
直訳すると「アメリカ大陸のヒョウ」ということですから、ヒョウの方が明らかに身近なのですね。
なお、英語では「レパード」「パンサー」と呼ばれますが、後者はアメリカでは全く模様の異なるピューマ(クーガー)を指すとか。
「パンサー」にはギリシア語の「全て」+「獣」という言葉に由来する説があり、アメリカ大陸で大型のネコ科動物(ピューマの体重はオスで39~80kg)を見て「パンサー」の英語を当てたのかもしれません。
個体情報や「京都市動物園100年のあゆみ」によれば、1950年に商社の寄贈で3頭のヒョウを飼育したことが記録されています。
「タイのサイラスより」との記載があり、これが当園でのヒョウの飼育の起こりだったようです。
土佐