生き物・学び・研究センターブログ
2026年2月24日(火)標本棚のラベル裏044 ニシゴリラ(オス、全身分離骨格標本)
動物が死亡した後は、教育普及・研究を目的として、標本を作製し保存しています。
このブログでは、現存する所蔵標本を、ラベルに載せ切れない情報と共にご紹介したいと思います。
2026年2月11日に、「ほねぶ!~レプリカを作って骨を学ぶ~ニシゴリラ編」を開催しました。
このイベントに際し、ニシゴリラの全身分離骨格標本を公開させていただきました。

ニシゴリラの幼獣の頭骨については既にご紹介しましたが、今回は成体のオス。
ほかの動物と共通する特徴も、異なる部分も、比較することでいろいろと見えてきます。
例えば、ヒトとニシゴリラで共通する特徴である、前腕骨の2本の骨の構造があります。
橈骨と尺骨という2本の骨で構成されるこの部分は、類人猿では完全に分離しています。
この構造のおかげで、我々やゴリラは、手のひらを返してものや枝をつかむことができます。
一方ほかの動物、例えばキリンなどでは、この部分は1本に癒合しています。
1本にすることで構造が強固で軽くなり、速度を出して走ることができるようになるのです。
ヒトとニシゴリラで違うところもたくさんあります。
先ほど挙げた腕について言うならば、前肢と後肢の長さでしょうか。
ニシゴリラの前肢は、ナックルウォークを行うために後肢より長くなっています。
二足歩行を主な移動手段として使うようになったヒトとの、大きな違いといえるでしょう。

同じニシゴリラ内でも、成長段階や性別によって違いが生じています。
ニシゴリラで雌雄差が顕著なのは、オスにおいて発達する頭骨頭頂部の矢状稜。
巨人ヒーローの頭頂部の如く突出しているこの部分、咬む力をつかさどる筋肉の付着部となっています。
筋力を強くするためにはその付着部を大きくする必要があるのは、マントヒヒの回で述べたとおり。
ニシゴリラのオスの頭が卵のような形になるのは、このためです。
この標本の個体はマック。
1970年に生まれ、1997年に亡くなるまで約26年間在園しました。
現在も飼育しているゲンキの父親で、キンタロウの祖父に当たります。
土佐
